首から肩や上肢に症状を出す頚部周囲の障害についてー胸郭出口症候群(TOS)  大阪市東住吉区南田辺 おくだ鍼灸整骨院  

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 胸郭出口症候群(TOS)について
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 <圧迫型と牽引型について>
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 肩手症候群
 まとめ 

首・頸椎について
首・肩・上肢に関連する頚椎捻挫
はじめに
頚椎捻挫の四つの分類

○頚椎捻挫型
○神経根症型
○脊髄症型
○バレリュー症候群型
1、頚椎捻挫型について
2、神経根症型について
3、脊髄症型について
末梢神経の障害について


 首・頸椎について
頚椎症と頚髄症の鑑別
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2、筋肉を観察する
3、感覚を観察する
4、末梢神経障害の症候と
末鞘神経神経近位部の神経根症候
5、まとめ


首・頚椎について
 頚椎を理解しよう!!
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害されやすい頚椎部
頚部・頚椎の構成体へのストレス
頚椎への刺激ストレスと
首・肩への放散痛と感覚異常
首・頚椎の疼痛のまとめ
首と頚椎の症状の注意点





<首・頸椎について>



首から肩、上肢に症状を出す頚部周囲の障害について

胸郭出口症候群(TOS)を中心に




                     はじめに



前回からの続きになりますが

頚部、あるいは肩甲骨の周囲の障害が原因により、さまざまな症状を引き起こす場合を

紹介してみたいと思っています。

症状としては肩こりや頚部から上肢にかけての疼痛やシビレなどの知覚障害、握力低下などの

運動障害、動作時痛、自発痛や可動域の制限などその外にも、肩の凝り感や重だるさなど

多種多彩な症状が出現します。

原因の多くは、姿勢や老化という退行性変性というバックボーンがあり、頚部、鎖骨、肋骨、

肩甲骨、上支帯の筋肉の可動性が原因になり神経や血管が圧迫されたり、肩甲骨に

付着する局所の筋膜骨膜の負荷による疼痛であったり、繰り返される動作による骨格筋の

腱や滑膜包の炎症であったりします。

これらの症状は、 単純な疲労性の肩こり、あるいは首のこりときわめてよく似た症状です。

そして症状は思ったよりも長引く傾向があります。

以下順次説明していきたいとおもいますが、

結局はさまざまな原因による末梢神経の異常あるいは骨格筋の異常によるものです。

あなたは、このような状態を単純に疲労性の肩の凝り?・首の凝り?だと言って、

見逃すことができますか?

単純に揉んだり、叩いたりするだけで良いと思いますか?




胸郭出口症候群(TOS)

これらは腕神経叢の圧迫あるいは牽引に起因する神経・血管症状を主体とする症候群です。


腕神経叢とは?

脊髄|→→神経根(前・後根)→→|椎間孔|→→神経叢→→末梢神経→→→筋

腕神経叢は第5頚神経〜第1胸神経の前枝によってつくられています。

(脊髄神経は脊柱管の外で前枝と後枝に分かれます。前枝は体幹の前壁と側壁、および
上肢・下肢の筋と皮膚に分布します。)

C5とC6の前枝は合流して上神経幹をC7の前枝は中神経幹を、C8とT1の前枝は下神経幹
を形成します。

各神経幹は前斜角筋と後ろ斜角筋の間より出て、それぞれ浅層と深層に分かれる。
椀神経叢は鎖骨上部と鎖骨下部に分けられ、鎖骨上部からは上肢帯へ分布する枝が出ます。
鎖骨下部からは、上肢帯の一部と自由上肢へ分布する枝が出ます。

これらの神経叢がさまざまな部位で圧迫されて、末梢神経の症状を引き起こすのです。

職業病としてのキーパンチャーなどにみられる職業性頚肩症候群も含まれますし、 
頭部や頚部の外傷後遺症にも類似の症状がみられ複雑です。

症状としては肩こりや頚部から上肢にかけての疼痛やシビレなどの知覚障害、握力低下などの

運動障害、動作時痛、自発痛や可動域の制限などその外にも、肩の凝り感や重だるさなど

多種多彩な症状が出現します。

胸郭出口症候群は、

斜角筋症候、肋骨鎖骨間圧迫症候(鎖肋症候)および過外転症候(小胸筋症候)などの

総称として呼ばれています。

次回からそれぞれの説明

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1、斜角筋症候


胸郭出口症候群(TOS)は、腕神経叢の圧迫あるいは牽引に起因する神経症状を
主体とする疾患です


TOSは首、肩、腕の痛みやしびれ脱力などの多彩な症状を呈します

その中でもこの斜角筋症候が代表的な症候です。

<斜角筋症候の症状


 首、肩から上肢にかけてのコリ感や疼痛、知覚障害、手の筋萎縮、運動障害、

 握力の低下、指先のチアノーゼ、橈骨動脈の脈拍減弱など。

 また斜角筋に圧痛を証明する

<斜角筋とは?>

 筋名        起始          停止     
作用
  前斜角筋  第3〜6頸椎の
横突起前結節
 第1肋骨の
前斜角筋結節
 第1肋骨を引き上げる。
肋骨を固定すると、
頸椎を前方に傾ける。
片側のみ働けば、
その方向に傾ける。
  中斜角筋 すべての頸椎の
横突起前結節 
 第1肋骨の鎖骨下動脈溝の
後方隆起
 第1肋骨をひlき上げる。
肋骨を固定すると、
頸椎を屈曲する。
片側のみ働くと、
その側に曲げる。
  後斜角筋  第4〜7頸椎の
横突起後結節
第1肋骨を超え、
第2肋骨の外側面
 第2肋骨を引き上げる。


斜角筋の作用

 後斜角筋はほとんど垂直に走行しています。

 前斜角筋は斜め前方に走行しています。

  肋骨を固定した状態で片側の斜角筋が収縮すれば頚椎が側屈します。

 前斜角筋と中斜角筋が収縮すれば、頚椎をわずかに反対側に回旋させます。

  両側の前斜角筋と中斜角筋の収縮は頚椎の彎曲である前弯を増強させます。

 斜角筋の収縮により第1、2肋骨が挙上して吸気を補助します。

 頸椎の動きだけでなく、常に呼吸している呼吸補助筋としても、日常的に

 重要な働きをしています。


<斜角筋症候の原因>


 腕神経叢や鎖骨下動脈が斜角筋三角部において圧迫されて、症状が
 引き起こされます。


 斜角筋三角とは?

 前斜角筋、中斜角筋を二辺として、第一肋骨を底辺とする三角部位です。

 この狭い部分を鎖骨下動脈と腕神経叢が通過し、鎖骨下静脈は前斜角筋の

 内側を通ります。

 したがって、斜角筋の緊張や腫脹をもたす誘因すべてが関連します。

 外傷、過労、感冒も咳や喘息による呼吸の異常などによる筋の緊張や、
 
 首・肩のコリから普段の呼吸による肋骨の挙上や、スポーツなどの

 肩関節の動作や首の動作などはモチロン、普段の不良姿勢などの動作から

 あたかも頸椎症や頸髄症に似た症状を引き起こしてしまうのですね。

このように腕神経叢と鎖骨下動脈が、頚椎の横突起から出て第一肋骨につく

前斜角筋と中斜角筋との狭い間や、

あるいは前斜角筋と第一肋骨との間で

圧迫されることによって症状が起こります。


<理学的検査>

初期では肩の凝りや首の凝り程度で進行すれば疼痛などですが、進行すれば、

シビレや握力低下や筋の委縮まで引き起こされますので心配されますが、

胸郭出口症候群には、頚椎症や頸髄症などのような反射の異常はありません。

おもな診断の検査法です。

○アドソンテスト

 頭部を患側に回旋し、頚部を後屈させ深呼吸を行わせる息を止めると疼痛や
 シビレ感は増強します。


 そのときの橈骨動脈の拍動の変化を診るテストです。

 拍動が減弱・消失した場合を陽性とします深呼吸に斜角筋が緊張し動脈を
 圧迫するためです。

○アレンテスト

 患側の手をもって吊り上げ、上腕を90度外転、肘関節を直角に曲げた肢位で
 患者の顔を健側に向けると、橈骨動脈の脈拍が減弱あるいは消失します。


<治療>

斜角筋の筋緊張を緩めることが主体になるでしょうが、

斜角筋症候にかぎらず、胸郭出口症候群(TOS)の治療は総合的な治療が必要です。

最後に総合的に述べてみたいと思っています。

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肋骨鎖骨間圧迫症候(肋鎖症候)

<症状>

腕や手の異常感覚とシビレ感や痛みが主で夜と早朝に感じるかとが多い。

指先の知覚障害やチアノーゼなどの皮膚変化、委縮や筋力の低下も存在するが、

原則として一過性とされています。

<原因>

腕神経叢と鎖骨下動脈が肋鎖間隙部で圧迫を受けることで発生する。

神経、血管束が肩関節の内転と下制の動作により鎖骨間隙部で圧迫されることで、

引き起こされるのです。

肋鎖間隙部とは?

 鎖骨および鎖骨筋と第1肋骨都の間隙を言います

 腕神経叢・鎖骨動脈は斜角筋三角部を通過したあとに、この肋鎖間隙部を通過します。

 斜角筋三角が第1関門ならば、肋鎖間隙部が第2関門でしょう。

 鎖骨下筋:第1肋骨、同軟骨の上前面から起こり、外側上方にはしる。
       鎖骨の下面に付着。
       鎖骨を前下方にひく。

<理学的検査>

頸椎の疾患のほかには、早朝の指のシビレや筋力低下などは手根管症候と似ています。

以下の検査法が有名です。

○エデンテスト

患者を座位にし、上肢を後下方に牽引し、橈骨動脈の拍動の変化を診る。

拍動が減弱・消失するものを陽性、不変で陰性とします。

○気をつけテスト

患者の後方に位置し、両手で左右の手首をつかみ、患者の両肩を下げて後ろにひかせ
胸を張ります。

この姿勢での橈骨動脈の減弱の有無を診ます。

<治療>

TOSの治療は統合的に行わなければなりません.。

鎖肋症候の治療は、その原因の肋鎖間隙部をターゲットとすれば、

第1肋骨、鎖骨の運動に注目しなければなりません

第1肋骨、第2肋骨に停止部をもつ斜角筋群も緊張緩和

胸骨・鎖骨に停止部をもつ胸鎖乳突筋の緊張緩和

<胸鎖乳突筋とは?>

 胸鎖乳突筋は頚部の筋で、斜角筋が頚部の深い部の外側に位置するのに対し、

 頚部の浅い部に存在し、斜めに走る大きな筋で、胸骨頭、鎖骨頭の2頭を持っています。

 頭を他側に転じ顔を上方に向かせる。

 左右の両筋が働くと頭を前下方にひく。

 頭を固定させると、胸骨および鎖骨を挙上させます。
 
 起始・停止は次のとおりです。

 起始   停止
胸骨頭:胸骨柄の上縁および前面
鎖骨頭:鎖骨の内側3分の1
側頭骨の乳様突起、
後頭骨の上項線

胸鎖乳突筋の起始・停止や作用から鎖肋症候の治療に、どうしても考慮します。

肩鎖関節、胸鎖関節のスムーズな運動の改善→肩関節を構成している2関節i動きの改善

頚部の柔軟性を増加させ、肩周囲の筋の緊張の緩和

胸郭運動の改善

姿勢の改善などなどです。

何度もいいますが、胸郭出口症候群(TOS)の治療は統合的に行わなければなりません。

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過外転症候(小胸筋症候)

<症状>

 上肢を肩関節で外転挙上するような作業や、手を頭の下に組み長時間仰向きで寝ていたり

 すると知覚障害がおこり、シビレ感,、冷感を感じる。

 鎖肋症候と同じで夜間から早朝におこりやすいといわれています。

<原因>

 腕神経叢・鎖骨下動脈は斜角筋三角を通過し、つぎに肋鎖間隙を通過しましたね。

 鎖骨下静脈は前斜角筋の内側を通りましたね。

 その後、腕神経叢・鎖骨下動脈は鎖骨静脈と一緒に鳥口突起下部で、小胸筋と胸壁との

 狭い間隙を通過して上肢に向かいます。

 この狭い間隙部を小胸筋間隙部と言います。

 この小胸筋間隙部が、腕神経叢・鎖骨下動脈・鎖骨下静脈の第3関門になっています。

 神経と血管束が腕を外転位と腕を頭の後方に動かす動作により、小胸筋間隙で

 圧迫されることでさまざまな症状が引き起こされるのです。

小胸筋と小胸筋を被っている大胸筋の影響も

 筋名 起始   停止
 小胸筋 第2〜第5肋骨の前面からおこり、
外側上方に走る。
 肩甲骨の鳥口突起
 大胸筋 鎖骨部;鎖骨の内側半
胸肋部:胸骨および第2〜第7肋軟骨の前面
腹部:腹直筋鞘前葉
 上腕骨の大結節綾

 小胸筋の作用
   肩甲骨の外側角をやや下方にひく。
   肩甲骨を固定すると、第2〜5肋骨を引き上げ胸郭を広げる。

 大胸筋の作用
   上腕を内転しかつ内方に回旋する。
   これを固定すると、胸骨および肋骨をあげ吸気を助ける。

<検査法>

○ライトテスト

 肩関節の外転・外旋位での肘を曲げ手掌を前方に向けた肢位での橈骨動脈の脈拍の

 減弱の有無を調べる。

○ローズテスト(ローズ3分間挙上負荷試験)

 ライトテストの肢位を維持し、手指の屈曲、伸展(グー・パー)を3分間繰り返す。

 疼痛やシビレなどの出現を診るテストです。

 ライトテスト同様に、過外転症候を疑うテストですが、時間的な評価が加えられるので、

 症状の重症度の指標になります。

<治療>
 
 胸郭出口症候群(TOS)は総合的な治療が必要です。

 過外転症候(小胸筋症候)の特徴としては、

 小胸筋の緊張を緩める。

 大胸筋の筋緊張をも緩めなければ効果はありませんね。

 小胸筋の停止部である肩甲骨の鳥口突起。

 大胸筋の停止部である上腕骨の大結節稜。

 肩関節の動作や呼吸の改善も必要でしょう。


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胸郭出口症候群(TOS)

<牽引型と圧迫型>

 胸郭出口症候群(TOS)の代表的な症候である3種類の症候である

 
斜角筋症候、鎖肋症候・過外転症候の3種類を説明しました。

 臨床上では、実際この3つの症候をキチンと鑑別診断することは非常に難しい。

 臨床において、この3種類はともに関連しているので厳密に分類する必要もありません。

 したがっても総合的な治療が必要ですと述べてきました。

 それゆえに、一般的には一括して胸郭出口症候群(TOS)と呼んでいます。

 最初に、胸郭出口症候群(TOS)は椀神経叢の圧迫あるいは牽引に起因する
 神経・血管症状を主体とする症候群です。と述べましね。

 この3種類はすべて狭い間隙間の圧迫でおきるということは理解していただいたと思います。

 アレ!!??

 牽引が抜けていると思いませんか?

 胸郭出口症候群には圧迫型と牽引型があります。

 私が免許を所得した25年ほど昔は、圧迫型が多いといわれていましたが

 圧迫以外に牽引によって発症することも分かってきております。

 圧迫型と牽引型が両方の場合の型もあります。

 要はどちらが主要な原因かどうかでしょう。


<胸郭出口症候群(TOS)牽引型の特徴>

 圧迫型は筋肉質の男性で怒り肩の人に多く発症し易く、

 牽引型は痩せており首の長いなで肩の女性に多く発症するといわれています。

 猫背で顎を突き出した不良姿勢に多いといわれています。(頭部前方位の姿勢

<牽引型の症状>

 圧迫型とそれほど変わりませんが自律神経の不調の症状を多く訴える。

 圧迫型が起床時などの早朝に症状が強く表れるのに対して

 牽引型は午前中よりも午後に症状が強く現れる傾向が強い。

 荷物を下げる重いものを持ち上げるなどの上肢が下方に牽引される力が加わると
 症状が増悪します。

<牽引型の原因>

 腕神経叢が牽引されことが、主な原因で症状が起こります。

 実際には腕神経叢は、 鎖骨の上部と鎖骨の下部に分けられています。

 鎖骨の上部からは上肢帯に分布する枝(肩甲骨周囲の筋や広背筋、斜角筋を支配)

 鎖骨の下部からは、自由上肢(上肢)と一部は上肢帯に分布します。
 (大・小胸筋や上腕や前腕の筋や知覚を支配)

 困ったことに肩関節は上肢の上腕骨が肩甲骨にぶら下がった構造になっています。

 ちなみに上肢の重さは片方で3〜5キロの重さがあります。

 この重量を肩関節は主に筋肉によって支える構造になっています。

 非常に負担のかかる構造になっています。→肩関節の構造肩関節の運動リズム

 この自由に動く肩関節肩関節の運動によって腕神経叢が牽引されるのは

 容易に想像できますし、牽引型と圧迫型が同時に起こっても不思議ではありません。

 要はどちらが主体で症状がひきおこされるかどうかでしょう。

<所見>

 胸郭出口症候群の牽引型はこの肩関節を形成している肩甲骨が、外転・下方回旋変位。

 肩関節における肩甲骨の動き

 その結果、

 胸鎖関節・肩鎖関節の拘縮や僧帽筋中部線維や下部線維、肩板筋群の筋力低下を呈する。

<牽引型を知る理学的検査法>

 ○肩ひきさげテスト

  上肢を文字どおりに下方へ引き下げ牽引することで疼痛やシビレの増強の有無を診ます。

  また、肩甲骨を内転位にして下方に引き下げたときに症状の緩和するかどうかを確認する。

 胸郭出口症候群が牽引によって症状が引き起こされているか?を知るために

 非常に有益なテストですので必ず他の圧迫型のテストと併用してください。

<治療>

 肩甲骨の位置異常の是正を目的とします。

 胸鎖関節、肩鎖関節の拘縮の正常化

 弱化した筋肉の回復、肩関節のエクササイズなどです。


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肩甲肋症候群

文字のとおり肩甲骨と肋骨でおこる症候群です。

胸郭出口症候群の牽引型の一部でも引き起こされる症候です。

肩関節の肩板断裂などの傷害などの肩甲骨の下制や下方回旋によってさ引き起こされる。

肩甲骨と肋骨周囲でおこる症候群のです。

<症状>

 首から肩の凝り感や疼痛や背中の痛みなどを訴える。
 
 肩甲骨に付着する肩甲挙筋付着部での局所的な痛みや痛覚過敏。
 
 肩甲骨の間とくに肩甲骨の上内角に放散する痛みが強いのが特徴的。

 肩甲骨を自動的に動かすとゴリゴリとした雑音を感じる場合がある

 この場合は、明らかに肩甲胸郭関節の傷害を起こしている。→肩関節の構造

<原因>

 肩甲骨の下方回旋による肩甲挙筋・菱形筋の等尺性の緊張によって、

 筋膜や骨膜の負荷によって炎症など引き起こす

 肩甲骨上内角の炎症や滑液包炎。
 
 胸郭出口症候群の牽引型においてもまた棘上筋の断裂などにおいても

 持続的な肩甲骨の下方回旋がひきおこされるので同様の症状が起こります。

 肩をすぼめた姿勢や反対に攻撃的な姿勢なども原因となります。


<肩甲骨を下方回旋に働く肩甲挙筋・菱形筋について>

背中上部にある小筋で、いずれも僧帽筋に被われている筋です。

菱形筋は、上方の小菱形筋、下方の大菱形筋に区別されます。

肩甲挙筋は、小菱形筋の外側上方で、頚板状筋の外側縁にそって下外側方に走る。

筋名  起始  停止 
肩甲挙筋  第1〜5頸椎の横突起の後結節  肩甲骨内側縁の上方3分の1
小菱形筋  第5〜6頸椎の棘突起と項靭帯  大菱形筋の上につく 
大菱形筋  第1〜4胸椎の棘突起、棘間靭帯   肩甲骨内側縁下部3分の2

肩甲挙筋の作用は肩甲骨を引き上げる。その際、肩甲骨下角を引き上げる。

菱形筋の作用は肩甲骨内側上方に引き上げます。

肩関節の屈曲・外転運動にともなって、肩甲骨の上方回旋する作用を持っています。

<治療>
 
 肩甲挙筋・菱形筋の筋膜の緊張の緩和。
 
 炎症部位の消失を目的に肩甲骨内側に対してアイシング。

 場合よっては8の字ハーネスなどを装着。

 肩甲骨の上方回旋させる肩甲挙筋・菱形筋の動きを制限させる(負荷をかける)
 肩甲骨の下制筋や下方回旋筋(前鋸筋、中・下僧帽筋)の短縮の緩和やエクササイズ。


<注意>

 疲労性の肩こりとよく似ていますので、肩部や首やあるいは肩甲骨周囲を

 揉んだ叩いたり圧迫したりしている場合をよく見かけます。

 肩甲骨内側縁の肩甲骨付着部には滑液包が存在し(内上角滑液包・下角滑液包)

 間違っても、素人療法で揉んだり圧迫してはいけません。

 滑液包炎を引き起こし、ますます炎症を拡大させてしまいます。

 特に肩甲骨を動かして雑音を生じる場合は、

 肩下胸郭関節の傷害である肩結合織炎の可能性が高いので絶対に禁止です。


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肩手症候群

名前のとおり肩と手に症状が起こります。

反射性ジストロフイー(RSD)、カウザルジアなどと呼ばれていましたが、現状では

複合性局所疼痛症候群(CRPS)にまとめられています。

複合性局所疼痛症候群(CRPS)とは?

 骨折・捻挫・打撲などの軟部組織の外傷をきっかけとして、慢性的な疼痛と浮腫、

 皮膚温の異常、発汗異常などをともなう難治性の慢性疼痛症候群

複合性局所疼痛症候群(CRPS)の分類

 CRPS TypeT:反射性交感神経性ジストロフイー(RSD)
      軽微な外傷後に発生し、単一の末梢神経の分布領域に限らず、刺激となった
      出来事とは不釣り合いな強い症状を引き起こす症候群。
      しかし神経損傷が無いか軽微です。
      外傷後交感神経の過剰緊張をともなって主に四肢におこる持続性の疼痛
      肩手症候群はCRSP TypeTに分類されているようです。
 
 CRPS TypeU:カウザルジア
      一本の神経やその主要な分枝の部分損傷後におこる、手や足の領域の灼熱感や
      感覚過敏や痛覚過敏などの様々な症状を引き起こす症候群。
      たとえば、腕神経叢、正中神経、尺骨神経や坐骨神経や脛骨神経など、
      四肢の大きな部分の神経損傷が明らかな場合におこるとされています。

 以上のように分類していますが、・・・・・・・・・・

CRPSとしての分類も神経損傷の有無によって症状や徴候に差がないことから、

以前のとおりに、TypeTやTypeU の分類もされなくなっているようです。

要はまだまだ解明されていないようです。

<症状>

上肢全体に出現しますが、特に肩関節と手に症状が現れます。

手の腫脹、疼痛、硬結、発汗および色の変化などを伴う疼痛性の肩および運動制限

手における変化は通常次の3段階で進みます。

 1、灼熱感をともなった局所の痛み、冷感があります。

  突然の手の広範囲にわたる浮腫と痛みから始まります

  血管運動性の変化、発汗または冷汗、熱感,、温性の手、硬結および表在の過敏性。

 2、浮腫や痛みが軽減してくるが・・・・・

  皮膚が白くシワがなくなり、肥厚した感じの冷感と硬結および関節が自動的にも他動的にも
  可動域の減少をきたし筋委縮が現れる。

 3、浮腫や圧痛や痛みは消失するが、委縮と可動域制限が進む。

   蒼白で薄く著明な筋の委縮および関節拘縮

このように時期によって炎症症状が主体であったり自律神経症状や皮膚症状、運動症状、

さらにジストロフイー(栄養異常・異栄養、形成異常という意味)が発生しします。


<原因>

正確な原因はいまだに不明であります。

頚部や肩の外傷後に続発的に引き起こされるだけではなく、骨折・打撲・捻挫などの

軟部組織の損傷、ギプス固定後あるいは頸椎間板性疾患や頚腕症候群、

ヘルペスあるいは脳血管障害の片麻痺後あるいは心筋性などにより引き起こされます。

<治療>

原因となる外傷の治療と疾患を治療する。

お医者様は、

神経ブロック(星状神経節ブロック)・・・・要は交感神経ブロック

鎮痛消炎剤

抗てんかん薬などなど


局所は非常に過敏な状態になっていますので、痛みなどを与える侵害刺激は絶対に禁止です。

関節可動域の拡大のために、無理やりの自動・他動運動も禁止です。

たとえ痛みなどが減少したから・・・・・・・・・といって、

動かそう動かそうとしたり、関節拘縮を治そうとして無理な運動やストレッチなどを実施し、

より悪化させてしまうケースが非常に多いです。

注意してください。 本当に多いのですよ。 注意してください。


基本だけ述べます。

症状の進行する3段階をよく観察すればよく理解出来ます。

 浮腫の減少および炎症の減少や疼痛の減少を目的とする。

 筋スパズムの減少を目的とする。

 関節可動域の拡大を目的とする。

 自律神経のサーキットに影響を与えることを目的とする。

痛みなどの侵害刺激を与えずに、以上の目的を達することができれば良いのですね。

私は触圧覚刺激法を中心に治療させていただいております。

そのほかにも、きっとさまざまな方法があると思います。

難治性の慢性疼痛疾患でありますが、決してあきらめないでください。


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まとめ

いかがだったでしょうか?

最後に難治性の慢性疾患を紹介しましたが、

きっかけは、骨折・捻挫・打撲などの軟部組織の外傷として、慢性的な疼痛と浮腫、

皮膚温の異常、発汗異常(自律神経である交感神経の異常)などをともなう難治性の

慢性疼痛症候群ということに注目してください。

また

胸郭出口症候群(TOS)は、たとえ先天的あるいは不良姿勢などがベースとなっていても、

頚部(頸椎・胸椎)や肩部(複合関節としての肩関節)などを含むの運動などをきっかけとして、

腕神経叢や血管などが通過する筋や骨などど間隙で圧迫あるいは牽引されることで、

疼痛や様々な神経症状(自律神経を含む)を主体とする疾患です


したがって、

治療は総合的になってしまうのです。


<治療>

 ○頚部、あるいは肩甲骨の周囲の障害が原因により、さまざまな症状を引き起こす。

 ○腕神経叢の圧迫あるいは牽引に起因する神経・血管症状を主体とする症候群である。

  頚部・頚椎の構成体へのストレス

  頚椎への刺激ストレスと首・肩への放散痛と感覚異常

1、全体的には頚部に影響を与える固有背筋(深層筋第2層)である板状筋、脊柱起立筋、

 横突棘筋、棘間筋、横突間筋、などの筋スパズムをゆるめる。

2、頚部の可動域を正常にする。

3、自律神経に対処する。

 交感神経節を狙った刺激によって関連している自律神経節のサーキットの調節。

4、、ターゲットとなる斜角筋や大・小胸筋筋の緊張の緩和。

5、胸鎖関節、肩鎖関節、第1椎骨関節の正常化。

 肩甲骨と肋骨との関節である肩甲胸郭関節の滑走の改善

 要は複合関節である肩関節の正常化に尽きる。

6、胸式、腹式呼吸の動きの正常化。

7、、姿勢の矯正。

 頭部前方位・骨盤の前傾の正常化

 弱体化している肩甲骨の固定筋群の強化

 僧帽筋中部下部・広背筋・前鋸筋などの筋

 肩のインナーマッスルの強化

7、場合によっては8の字ハーネスの着用など

その場その時の症状に対処し、エクササイズあるいは姿勢の矯正などを考慮するべきです。

単純に疲労性の肩こり・首のこりが原因ではありません。

いかがでしょう?

ゆっくり腰を落ち着けて治療してください。

どのような疾患においてもコレさえすればナンデモ治る?

1回や2回あるいは数回の治療で治る?

そんな疾患はむしろ少ないですよ。


どのような疾患でも自分自身が持っている身体の弱点をついて発症するのです。

慢性が何か月で急性期が何日かと分別することは学問的にはできるでしょう。

しかし、

臨床的にはどうでしょうか?

たとえば、膝を痛めて痛みが出る。

たしかに、この段階では急性痛でしょう。

その痛みが1か月以上つづけば慢性痛?

たとえば、

膝の痛みが6か月以上つづいているとしても、ず〜〜〜と同じ痛みがつづいていることは、

むしろ少ないでしょう。 楽な日があったり、辛い日があったりが普通です。

長く歩いたり、重い物を持ったり、変な格好で座ったりなどなど

膝に負担がかかり、腫れたり、痛みが出たりした時点で、再度、急性痛が出る。・・・と

考えるのが通常でしょう。

特に関節を含む軟部組織疾患は、加齢による変性、変形や姿勢などをベースにしているために

何かのきっかけで再発する傾向は非常に強いのが常識です。

症状を軽減させることはモチロン必要ですが、

悪化することを防ぎ、進行を食い止める手立てとしても考える必要もあります。

むしろ腰を落ち着けて治療するのが本道だと思います。

今回紹介した症候群は、まさにその典型的な例だと言えます.。


健康保険組合の言うように単純に肩の凝り・首の凝りと考えてはイケマセン。

時間があればもう一度

首・頸椎について

首・肩・上肢まで関連する頚椎捻挫について


頚椎症と頚椎症頚髄症の鑑別

お読みください。

反対に、疲労性の肩の凝り・首の凝りなどを、按摩・マッサージの代わりに

整骨院を利用してはイケマセン。

施術サイド、患者サイド、保険者サイドお互いに注意すべきです。

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